フットマーク株式会社代表取締役会長 磯部成文様
松下産業
磯部会長、本日はお忙しい中ありがとうございます。
フットマーク様は2013 年、新社屋「フット館」を当社の設計・施工で建築されました。
当社を選んだ経緯をお聞かせください。
フットマーク 磯部会長(以下、磯部会長)
まずは、フット館(新社屋)の建替え計画がありました。建替えるにあたり、50人近い社員をひとまず倉庫として使用していたマーク館(別館)に移動してもらうための、改修工事見積を数社からとりました。ホームページで探した会社と紹介を受けた会社の中に松下産業さんがありました。どの会社さんも現地調査をしてもらいましたが、松下さんのところは社員の方5人で現れた。人数も多くて、本気度が他社と違うのかなと思いました。その時の誠実な対応が決め手になって改修工事を依頼しました。
その頃、新社屋の設計を某設計事務所で計画を進めていたが、なかなかまとまらずに。
そんな中、会長は松下産業を思い出し、当社の設計施工の物件を数件見学したいと申し出があった
磯部会長
設計は、社員みんなで計画したい思いが強かったので、こちらがやりたいことを汲み取ってくれる会社がいい、と思っていました。これまで設計の不安はありませんでしたが、施工に関しては素人だから建築会社選びには不安があったんですね。松下産業さんを訪ねると、本社の設計部も案内してくれました。こう言ったらなんですが、松下産業はプロはプロでもいい意味で素人感覚を持っていると感じました。正直で誠実な会社だと思いました。その時、「設計施工」っていいなと思った。それから正式に松下産業でお願いすることになって、社員と設計担当、営業担当の方とでワーキンググループを組んで、週一回の定例会議を行いました。それから、大事なのは「距離」。墨田区と文京区、大江戸線で一本。打合せ、メンテナンスの相談もすぐできるのもいいですね。
松下産業
使い心地は、いかがですか?
磯部会長
設計コンセプトは「いえ」に決まりました。まず「風通しの良さ」をお願いしました。「いえ」は風通しが大事、と母がよく言っていましたから。階段もガラス張りにして、人の上り下りが見えるようにしてもらいました。2階と3階のオフィスの一部吹き抜けにしたのも、お互いの気配を感じられるようにと。働くひとの風通しがいい空間になっています。天井高も少し高めにお願いしたのと、東・南・北側が全面ガラスなので、明るいオフィスです。玄関の方角は辰巳の方角。これは商売繁盛の方角なんです。この地域の商売人は非常にこれを気にしますからね。それから、ゲストルームが落ち着く空間になっている。なにもなくても、時々ひとりここへきて、いいなぁと思います。
松下産業
家具も素敵ですね。
磯部会長
これは65年前に建てた旧社屋の木造の梁を利用したものです。解体してみるとすごいものが出てきたんです。この木材を利用して、家具をつくってもらった。
木のルーバーが新社屋のコンセプト「いえ」をよくあらわしていると思います。
松下産業
最後に、松下産業の良さは、どんなところだとお感じですか?
磯部会長
これまでに関わった松下さんの社員の方、名前と顔がぱっとあたまに浮かびます。設計の方、営業の方、施工担当の方々・・・社長も(笑)
それは建築の技術、品質うんぬんの前に「ひと」。松下産業のよさは「ひと」なんだと思います。「ひと」が依頼のきっかけでもありますから。
松下産業
ありがとうございます。私たち社員にとってこれほどうれしい言葉はありません。今後ともよろしくお願いいたします。磯部会長、お忙しい中ありがとうございました。
(聞き手:松下産業)
フットマーク株式会社
東京都墨田区緑2-7-12
http://www.footmark.co.jp/
墨田区で創業70 周年を迎える、水泳帽子、水着、介護用品を企画、製造、販売を行っているメーカー。
磯部会長は1970 年頃、まだ水泳帽をかぶるという概念がなかった学校の水泳授業に、水泳帽を取り入れる市場を作り出し、「看護」と「介助」をヒントに「介護」という言葉を創案したアイデア溢れる方で、同社は東京商工会議所の第1回「勇気ある経営大賞」の特別賞に選ばれている。
通りに面した1 階のゲストルームは墨田区の事業「すみだ3M運動」の小さな博物館「フットマークギャラリー」としても機能を果たしている。
館内には、製品やそれらを作るときに使用するミシンや道具が展示され、館長の磯部会長がお客様のニーズに合わせて館内を案内してくれる。
「いえ」の庇のような天井に施された木のルーバーが落ち着きとぬくもりの空間を演出。
館長のあたたかい笑顔が「いえ」に溶け込んでいる。
小さな博物館「フットマークギャラリー」 要予約:フットマーク株式会社 03-3846-3382
取材:2015 年2月